中華丼第二弾、安楽。
決して近場では無い場所からでも、
ランチを何にしようかと考えていたところ、
気づけばいわゆる赤い看板が目の前に。
店内も同じく赤が基調のthe町中華。
店主が映画好きなようで、
マイナー映画のポスターが壁を彩る。
この趣に勝る雰囲気はなかなか味わえない。
周りの客は近隣の大企業役員(おそらく)をはじめ、ドカタや近所の老夫婦まで、多種多様。
いつ行ってもほぼ満席。
ここの良いところは1人でも4人席に通してくれるところ。
しかもその後に来たグループ客を平気で返す。
信頼と自信が現れる、個人的には好きなポイント。
メニューには大変そそられる文言が多数並ぶが、心の中は決まっている。
だけどいつも少し悩んでからコール。
もやしそばやサッポロ味噌ラーメンが脳裏をよぎりながらも「中華丼ひとつ」。
ナナメ上を見上げると安定の小さいテレビからお昼のワイドショー。
数分で中華丼がスープとともに運ばれる。
三鷹に来た際は7割の確率で安楽に来るが、
いつも安定のビジュアルを保っている。
野菜のたっぷりの茶色い餡がかかり、店内はそこまで明るいわけではないのにハワイの日差しを思い出させるような照り。
中心にうずらの卵があり、周りのかまぼこや青菜が良いアクセントとなり100点の見栄え。
まずは一口。
生姜が香る、何とも言えない風味が口に広がる。
具材の大きさ、火の入れ具合、熱さ、どれをとっても高いレベルでバランスが良く、例えるなら去年のソフトバンク。
これもまた若手、ベテラン、外国人。
さらにはパワー、スピード、ワンポイントにムードメーカー、フロントまで。
ここまでバランス良く高いレベルで揃ってしまうと太刀打ちできない。
話を後逸してしまったが、
一口食べた後は卓上のラー油を4〜5周。
これにより100%の味が120%もしくはそれ以上のポテンシャルを発揮することができる。
例えるならフリーザにクリリンが殺されてしまったのを見た悟空か。
もしくは人造人間16号がセルに殺されて覚醒した少年期の悟飯か。
はたまた精神と時の部屋に入って何かを掴んでしまったトランクスか。(これだけは違うか)
その後は無我夢中で口に運び、気づいたときには残り2口。
そこまでは明らかに充実した気持ちで口に運んでいたが、急に現実を突きつけられる。
嬉しくもどこか寂しい最後の2口をいただき、
さらに最後にスープを完飲しフィニッシュ。
余韻に浸るのは10秒にとどめて、
次の客のためにサッと会計。
もちろん世の中のキャッシュレスの波など微塵も感じさせない現金のみの対応。
ここで電子マネーなど使おうものには今までの一連が台無しのため、このままで良い。
店内を出て一息ついたときの充実感たるや、
いっぱしの飲食店ではたどり着けないものを感じさせる。
まー、とりあえずうまい。
ちょっとやりすぎた気がするから終わり。
諸々の方向性が見えない。